卒業コンサート
あと3ヶ月もすれば大学を卒業するという時期になった。
ショパンの会では4年生のために卒業コンサートを開くことになった。
とはいっても卒業するメンバーは私を含めて5人程。考えてみれば男ばかりの卒業生集団だった。
私とNはショパンの会に所属していながら、ほとんどまともにピアノを弾くことができるようにはならず、結局ギターを弾いてコンサートをやった。結局はこっちのほうが得意だったわけだ。
ピアノのサークルなのに後輩達はよく付き合ってくれたものだ。私たちの下手な歌や演奏に対してもきちんとした環境を作り、立派な卒業コンサートを準備してくれた。
5人のうち二人はピアノを、一人はバイオリンを、そしてNと私はギターを。その意味で何のサークルかわからない卒業コンサートになった。
私はNと二人でギターを弾き、好きな歌をたくさん歌った。
大学のホールを借り切ってマイクなどの機材も後輩達が準備してくれた。そのときの写真を見ると今でもその頃の空気や後輩達の表情が私の心の中によみがえる。
準備の中心になった後輩の1人が「このコンサートは先輩たちのやりたいように好きなだけやってもらおう」と言っていたのを思い出す。
何の遠慮もなく自分をさらけ出せた素晴らしい後輩達や仲間たち。
このような出会いは大学時代以外にはなかなかないだろう。このコンサートを最後に、私たち4年生はサークルから引退した。
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