6 スキルよりも姿勢
様々な家庭を見てみると、子育てに関して、父親の不在が感じられることがよくあります。
もちろん父親は毎日働いていて忙しく、子供にかかわる時間が少なくなるのはわかるのです。
問題なのは、関わる時間ではなく、関わる姿勢です。
子育ては確かに子供が小さい頃は母親中心になりがちなのですが、今私が言っているのはもう少し大きくなってからのことです。
子供に何か言うときや子供のことを知りたいときに、直接子供自身に自分で関わりながら子供を理解していくのではなく、母親を通して子供とコミュニケーションをとってしまう父親がいます。
また、忙しさのあまり、子供にきちんと向き合わず、自分本位の関わり方をする父親も少なくありません。
このような場合には、子供は男性や父性というものにぶつかることなく大きくなってしまい、自分を作ってしまうので、母性原理中心の世界に生きやすくなるのです。
子供は母親との関係では一般的に甘えや全能感を持ちやすく、精神の柱を立てにくくなります。
母親も子供との関係において自立を望みながらも潜在意識で自立を妨げる面があるので、母親と子供は相互依存の関係になってしまい、子供の自立が阻害されることがあります。
このような時に、父親が子供としっかりと向き合い、注意をしたり子供の問題点を指摘してあげることは非常に重要です。
そうすることによって、子供は物事の善悪や生き筋や社会的なルールを強く意識できるようになります。
父親が反抗期の子供と直接向き合うことを避けると、子供は自分の中に自律的な規範を作ることがむずかしくなるのです。
大切なのは子供と直接にしっかりと向き合う姿勢です。
母性や父性に関しては、一人でその双方を演じることのできる母親などもいますので、例えば母子家庭の子供が必ずしも自立できないというわけではないのです。また父子家庭の子供が自立できないわけでもありません。
母性や父性というのは一つの姿勢のことを象徴的に表現しているだけですが、この役割姿勢を母親、父親それぞれが分担すると良いのです。
結局子供を育てるうえで大切なことの一つは、しっかりと子供に関心を持ち続け、正面からしっかりと関わってあげることです。関わる時間やスキルなどが最重要なわけでもないのです。
些細な子育ての技術などに悩む親も多いのですが、たいてのことはどちらでもたいして変わらないようなことばかりです。
そのような些細なスキルなどではなく、自分の姿勢を一貫させ、芯のある関わり方ができるかどうかが問題です。
親がぶれずに一つの方針で一貫して関わりつづければ、基本的には子育てに大きな失敗などないと言えるでしょう。他の家庭と比較したり、子供たちを比べる必要はありません。
しかし、これは子育てだけに言えることではありません。
知識やスキルに依存する生き方は、やがては新たな知識、あらたな常識、新たなスキルに左右され、右往左往する姿勢につながります。
もっと根本的な知性(根本知性)を求め、そこを固め、そこに依拠する姿勢が貫けるか否か。
それが物事の成否に大きく左右するのだと思います。
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