時間の切り売りをしない
間奏曲―フリーターの時代―その25
アルバイトというと漫然と仕事をして時を過ごしてしまうことも多い。というよりも受身の仕事の仕方で毎日を送ってしまう可能性も高い。
毎日の仕事が発展的ではなく機械的にできる仕事の場合は、特にそのようになってしまうだろう。
時間を切り売りするような仕事の仕方で、時間をお金に変えるような働き方をしてしまうのである。
もちろん、自分のスキルを磨く必要もなくできてしまう仕事だからこそアルバイトなのだ、といえるのかもしれない。
ただ将来いずれは正社員になり天職を見つけるような人は、このような仕事でもそれなりの心構えで行っているものだ。
アルバイトとはいえ、せっかく仕事をさせてもらうのだから、そのような貴重な機会を生かさないのはもったいないのである。ではどのような心構えが必要なのだろうか。
それが自分の課題を見つけるということだ。
全力で仕事をしていると、自分の足りない点や欠けている面がよく見えてくる。また逆に自分の長所も見えてくるのだ。
これはいいかげんに仕事をし、手抜きをしている人には決してわからない世界である。
与えられた仕事を何でもやる。そして与えられない仕事も積極的にチャレンジしてみる。そうしているうちに、自分が得意なこととそうでないこと、好きなこと嫌いなこと、そのようなものが見えてくるので、実は自己分析をしているようなものだし、同時になんらかのスキルを磨いているようなものなのだ。
それを発見するだけでも次のステップに確実に進んでいくことができるだろう。
自分の長所、短所がはっきり自覚されるところまで全力でアルバイトに打ち込んでみることで、新たな発見があるに違いない。
そのような仕事の仕方を繰り返しているうちに自分というものがよくわかってくるわけだ。
仕事を通じて自分を発見していくことは、自分を成長させ、自分の天職を発見する上でもとても大切なことになる。
そして、そのアルバイト先で、できれば高い評価を受けられるようになるまで、一生懸命に仕事をして欲しいものである。
よく働いてくれる、君がいてくれて助かる、いてくれないと困る(人手不足以外の意味で)こんな言葉を言われるようになったらアルバイト生活の脱出はもう目の前に来ている。
そのレベルまでは仕事に打ち込むことが結局は自分のためになるのだと思う。 アルバイトをやっているときだけでなく、仕事をしていて自分の収入を上げていく最も堅実な方法。
まずは、「給料以上に働くこと」だ。
このように言うと、ほとんどの人は、ただでさえ安い給料で働かされているのだから、できるだけうまく怠けたほうが得する、と考えるのだろう。
しかし、このような発想は、実は自分をどんどん貧乏にしていく発想なのである。
給料以上に働くことが、実は自分の付加価値を高めて、目に見えない貯金をしているのだということに気がつかない人が多いのだ。収入を上げていく人は「割りに合わない仕事」でもきちんとやる。
この割りに合わない、というのは「安月給でこんなにこき使われている」などという意識を決して持たないということだ。給料以上の仕事をするということが自分の価値を高めているという気持ちを持つことが、次のステップにつながっていくことになる。
私の場合も就職先が決まる直前は,一生懸命働いていてもそう給料が他の人と変わるわけではなかったので少し「割に合わない感じ」がしていたのは事実だ。
それが見えないところで富を積んでいるということに気づくには少し時間がかかった。
それでも一定の期間はその割に合わない仕事を積極的にこなしていく姿勢を持ってほしいと思う。これはフリーターに限らず、学生のアルバイトでも同じことが言えるだろう。
そのような仕事の仕方をしていると自分の付加価値が上がってくるのである。この付加価値は自分でわかる場合もわからない場合もあるのだが、しかし、確実に付加価値は上がっているのだ。
そして、その自分の付加価値が富を生む源泉になる。
アルバイトでは、時間の切り売りをしてはならない。お金を稼げる自分に変身するために、その機会を最大限に活用するのである。
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