大学で初の恋愛
「ショパンの会」には順調にメンバーが集まっていたが、実はできたばかりのサークルで当然ながら部室がなかった。
定期的にピアノのあるボックスに集まったり、教室を借りて集まったりしていたが、やはり不便なのは隠し切れない。そんなサークルだったが、多くの新入生たちが入会してくれた。
この年に入ってきた新入生はすでにピアノが弾ける学生も多くて私のような素人は後輩に教えてもらうというはめになった。
新入生の中にNさんという小柄の女性がいた。目が丸くて何だか子猫のようなかわいい女性だ。サークル活動の中で接するうちに、私は彼女に惹かれていった(とはいっても人格的なものではなく多分に容姿だったのだろう)。
今考えると、私とは正反対のタイプだったかもしれない。
見かけと雰囲気に惹かれていたのは間違いがないが、きっと私よりは彼女はさっぱりしていて、気も強かったと思う。
恋愛というものは盲目だ。理性的判断、自分に合っているかどうか、そんなことは関係なくどんどん感情が強くなる。この時はたぶんに相手のことをよく知ろうとも努力していなかった気がする。しかし感情はコントロールが難しい。自分では止め処ない。
間違いなく彼女に恋愛感情を持っていることを自分で自覚してからは、彼女に対しての言動がぎこちなくなり、わざと彼女を避けてみたり、自分で考えても変な行動をとるようになってしまった。
学生時代の恋愛は成就する方がいいのか、しない方がいいのか。
特に学生時代の恋愛については今となっても私はどちらがいいのかわからないのである。
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