自分らしさの罠
多くの学生は、自分らしく生きていきたい、自分の個性を大切にしたい、と考えていることだろう。
それは人間らしい欲求であるし、当然のことである。
しかし、統計的には、このような志向の強い若者ほど、所得が低く、下流と言われる生活に流れていく傾向が強いことがわかっている。
なぜなのか。
単純な理由である。社会で一定の収入を得て生活していくためには、どうしても何かに貢献することが求められる。
貢献のないところに基本的には収入は生まれない(投資などの活動は別として)。
貢献というのは他人のニーズに自分を合わせることだから、自分らしさなどを重視していたら、貢献するのが苦しくなる。
そこで早期離職、転職の繰り返し、結果として収入の減少や不安定さを生むことになる。
だから、ただ何となく自分らしくとか、自分らしさ、などを中心に人生を考えていると、次第に選択肢が狭くなり、最後は最も自分らしくない生き方(死に方)をしなければならなくなるのである。
その意味で、社会的な自分らしさ、貢献的自分らしさ、を探求する必要が出てくるというわけである。
大学での様々な活動は、その入り口を見つけるために非常に重要な意味を持つ。
貢献していく中に、自分らしさを一部でも活かせる場所はどこか。
まずはそのような考え方が必要になる。
もちろん、自分らしいとか、自分の個性などというものは、やってみなければわからないこともある。だからそんなものがない人は、どこでもいいから「食うために働け」ばいい。
しかし、自分の好きなこと、得意なことなどをある程度認識できているならば、その一部でもいいから活かせそうな場所を選んでいけばいい。
必要なのは、自分らしさなどにあまりこだわらなことだ。そしてそれを短期的に判断しないことである。
長期目線で貢献できる自分らしさを探求し、それを磨いている人は、どこでも通用する人材になることができる。
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