自分に天職はあるのか
学生時代、私は十分に幸せだった。
神戸を後にした私は再び、東京に戻った。自分の幸せ、家族や身の回りの人々の幸せ、そしてこの国の、世界の人々の幸せについて考えた。
自分が大学院を出た後、何をすべきなのか。
この頃すでに私は、自分のやるべきことがやはり大学に残っての研究活動ではないのではないかという気がしていた。
もっとアクティブに社会に働きかけていける仕事、自分が学んだことを多くの人と分かち合い、多くの人々の幸せに貢献できる仕事(大学の先生になってもそれは可能ではあるのだが)。
それは一体何だろうか。
もっと色んな世界の人々と出会い、多くの世界をのぞいてみる必要があった。
私は書物から多くの事を学んだし、自分の身の回りの人々の話はたくさん聞いてきた。
しかし、もっと世界は広い。まだまだ出会ったことのない人は無数にいるのだ。
何かきっかけがあったら全く躊躇なくどんな世界にでも飛び込んでみよう。
そう考えるようになっていた。
神戸での経験は私を書物の世界から現実の世界へ引き戻した。
この現実の中で、自分の本当の天職とでも言えるものを見つけること。
それが私の残された学生生活に課された課題であった。
あと一年ほどで答えが出せるだろうか。
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