「世界が憧れた日本人の生き方」 天野瀬捺
日本人論というものはこれからますます必要になってくるのではないかと思う。この本はかつて日本を訪れた外国人が、日本を見て日本人の姿に感動し、その感想を書いた言葉を紹介している本である。
この国際化の時代に「日本人論」?と思う人もいるだろう。このグローバル化の時代には日本人がどうとかこうとか、どうでもいいのでは?
しかし、本当はこのような時代だからこそ、自分たちの国のアイデンティティをしっかりと確認しておくことが重要だ。もちろん、この本に書いてあるような美風は、残念ながら今の日本から失われつつあるし、私は日本が好きだが、現状の日本の在り方には決して肯定的ではない。
しかし、このような時だからこそ、日本の歴史や過去の日本人の言動を学び、確認し、もう一度そこに戻ってみることの重要性を感じるのである。
この本には、例えば幕末に日本を訪れた初代日本総領事ハリスの言葉があげられているが、そこにはこう書かれている。
「私は時として日本を開国して外国の影響を受けさせることが、果たしてこの人々の普遍的幸福を増進する所以であるか、どうか、疑わしくなる」
日本は開国する前に、外国人からみても、当時の海外の国々と比較しても幸せな国民であったこと。それを外国から来た多くの著名人が認めており、外国の影響が日本にとって良いことなのか悪いことなのかわからない、と述べているのだ(開国しないほうがこの国の国民にとっては幸せなのではないかということだ)。
当時鎖国されていた日本の中で、育まれた日本的な価値について、外国の著名人はよく理解していたともいえる。
特に戦後における日本では、日本を失い、国への誇りも、目的も、理想も、世界での役割も見失い、金と実利に染められ、欧米化、近代化の中で美しい美風は忘れ去られようとしている。
国際化とかグローバル化をただ手放しでいいことだと考えている人も日本には非常に多い。
しかし、だからこそ、このような日本の昔の人々の持っていた長所をもう一度見つめなおし、いいところは復活させる努力をすべきなのだ。
全部で36人の外国人の、日本への評価が書かれているこの本は、そのような日本の原点や貧しくも、質素で、明るく、礼儀正しく堅実に生きていた人々の姿を思い起こさせてくれるだろう。
近代化や国際化、またグローバリズムなどの在り方、それとどのように向き合うかということを再考させてくれる本でもある。
(BOOK OFFにて110円で購入)
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