1年半が過ぎて(専門課程への進級)
大学に入学して1年半が過ぎた。当時の大学ではここまでがいわゆる教養課程というもので、社会科学、人文科学、自然科学の全分野で一定の単位の取得が必要だった。正直、決して難しいものでもない。
単位は無事に取得して法学部、専門の課程に進む。
ただ私がこの1年半で学んだことのほとんどは独学によるものだった。
講演会を開いてくれた教授(「6人の講演会」の項で述べた)や自分が訪ねていった教授を除いては、ほとんどの授業はつまらないものだった。
大教室での講義、教科書をほぼ読んでいるだけの授業。
大学の先生の中で「学ぶこと」の意味や価値、「学問」の素晴らしさを熱意を持って語ってくれた先生は皆無に等しかった。
何のために学者になったの?
先生方の使命って何?
学生に心から伝えたいことは何?
今この学生時代に学んだことが人生の大切な基礎を作る。「学生時代をいかに生きるか」がとても大切なのだ。
学生にとって、自分の人生の方向性を決める価値観や人生観を作り出すのに、最も努力しなければならない時代。
しかし、現状は空しく、時間は流れていく。
大学生の多くは自由な時間に翻弄され人生の設計図を描けない。
大学での授業もそのようなものとは無関係に行われている。
私は闇雲に読書をすることで、その価値不在の時間を埋めようとしていた。
多くの私の友人達や同級生も、この大学生活の空しさに気づきはじめていた。
自分が考えていることを行動に移したり、表現したりしていく必要がある。ただ自分の内にこもって、本を読んだり考えたりしているだけでは駄目だ。
やはり人の中に入っていかなければ。
自分の考えを多くの人の中に投げ入れることで、きっとまた自分も変っていける。
そう思った。
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