貧困化が避けられない今後の日本で

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お金のインテリジェンスを身につける ーその4ー

学生時代はお金がないものだ。それは一般的なことではあるが、以前アルバイト代などから一定の割合を貯蓄する習慣をつけておいた方がいいという話をした。

今後、今の若い人たちの給与はなかなか上がっていかないことが予想され、それどころか税金や社会保障費の負担が増えて、可処分所得が減っていくことが予想されるからだ。少し社会状況を考えると、あまり楽観的な未来は見えないはずだ。

もちろん私は、若い人にはお金をどんどん使って欲しいと思っている。しかし、それはやはり豊かになることの方が先にこなければならないのであって、ただやみくもに消費してよいということではない。余裕を作り出す準備はできるだけ早く始めることだ。

若いうちは当然ながら扶養すべき家族もおらず、入ってきたお金はどんどん使いたくなってしまうものではあるが、長い人生を考えると、若いうちから準備しておいた方がいいことだけは間違いないことである。

それに給与が上がらなければ、少し豊かな生活をするためには、副業をするとか、投資をするとか、なんらかの別の収入源を作っていかなければならない。今後はもうそれしか道は残されていないように思う。

そして、実は資産形成で最も大切なことは、「時間を味方につける」ことである。これは若いうちから手を打てば、長い期間をかけて資産を増やすことができるが、30代、40代となってから始めたのでは十分ではないということだ。

投資という「お金がお金を生み出す仕組み」をつくるためには、やはり一定の元手が必要であり、それが多いことが非常に有利に働く。また、投資は長い期間を使って行った方が生み出される果実も間違いなく多くなっていく。

貯蓄の方法は、強制的に積み立てる方法が最も望ましく、もしあなたが入った会社が財形貯蓄などの制度がある会社ならば、さっそくそれを利用するといいだろう。給与から天引きしてくれるので、使い込むことはできないからである。また引き出すにも制限があり、簡単には下ろせないようになっているはずだ。

そのような制度がない場合は自分でルールを決めて、一定割合の金額を毎月蓄えるのである。就職するといわゆる賞与(ボーナス)があると思うが、そもそもボーナスは支払いの義務が会社にあるわけではない。つまりいつ止められても、何の文句も言えないものである。絶対にそれを当たり前のようにあてにしてはいけない。

その意味では、そのような臨時の収入は、最初からないものとして考えていく方がいい。これをあてにして、大きな買い物をしたり、クレジットカードで消費を重ねたりしていると、基本的にはいつまでたってもお金がたまらず、投資に振り向けることもできない。

クレジットカードは便利ではあるが、基本的にはカード払いは極力避けた方がいいのである。クレジットカードは目的を明確にして、枚数は1枚から2枚持つのがせいぜいだろう。このようなカードはポイントなどがあり、利用者に有利な面もあるから、うまく使いこなさなければ、逆に損をすることもある。リボ払いなどは絶対にやらないことだ。

日本人は、基本的にお金の管理や使い方などを含めて、きちんとした学びの場がない。家庭でも親が子供に対してお金の話を堂々とするところは少ない。その意味では、日本人は色んな収奪の仕組みのカモになりやすく、結果的に損をするということになっているのである。

学生時代からお金について学び、考え、その稼ぎ方、使い方まで真剣に考えておいた方がいい。ぜひ、今日からそれを意識しておこう。

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投稿者:

山道 清和

日本の未来への発展と繁栄のために、日本の学生には自分から学び、考え、自分の意見を持つことのできる人材になって欲しいと心から願っています。就職や公務員試験に関する相談も受け付けています。遠慮なくどうぞ。

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