誰かのために本を読め-読書の発展段階
私は、学生たちにいつも「読書」の重要性を話している。
学生が本を読むのはどのような時だろうか。
まずは大学での課題やレポートなど、必要に迫られて読むことが多いだろう。
これは一番初歩的な読書の仕方である。
次に、多少活字に抵抗のない学生であれば、自分の興味関心、趣味などのために本を読むことだろう。
この段階の読書をしている学生は、多少はいるが、実はそれほど多くはない。多くの学生は、大学で課される課題のための読書で終始しているのである。
だから、自分の興味関心に基づいて読書をしている学生は、それなりに優秀であると思う。
しかし、読書にはまだその先の段階がある。
自分の興味関心だけに縛られて読書しているうちは、自分の興味や関心を深めることはできるが、他分野や、自分が知らない世界にアプローチすることは難しい。
そこで、この壁を破る読書法が必要であり、これこそが、最高段階の読書である。
それは他人の悩みや課題、問題を解決するために本を読むということだ。
この世界に入ると、もはや際限がない。世界はどんどん広がっていくことになる。
他人の悩みや問題、課題を解決するために本を読む。そしてそれは最初は身近な人々のためであってもいい。
しかし、さらには身近な人々のためだけでなく、日本全体や世界の人々の問題を解決するために本を読むことにつなげて欲しい。
それは、社会問題を解決するための読書にまで広がる。
これは他者や社会、日本、世界のための読書である。
自分のために本を読むことは価値あることである。しかし、それ以上に他人や社会、世界のために本を読むことは最上の読書なのだ。
だから、他人のために本を読んで欲しい。自分以外の人が抱える問題を解決するために、その一助となる知識や見識を手に入れるために。
そして、可能ならば、そこから得た知見をなんらかの行動に結びつけて欲しい。
これこそが、最高の読書、最上の読書、知と愛が融合した理想的な読書の姿である。
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