経験と知恵
世の中には、同じ経験をしても、そこから学び知恵を得て、成長する人もいれば、何も変わらず、同じ失敗を繰り返したり、無意味に同じ経験を繰り返す人もいる。
経験が価値をもつのは、人間がそこから何かを学ぶからであり、その経験から知恵や意味を得ることができるからである。
だから、どんな経験であろうと、それを経験する前や経験しているとき、経験後にはとるべき態度というものがある。
経験前には、自分なりの目的や目標を明確にしてから臨むといい。
経験中にはそこで感じる感情や自分の心の動き、そして自分以外の人の心や行動、そして環境の在り方を観察するといい。
そして、経験後には自分の心と行動の反省と確認をするのである。
そうして初めて、経験が価値や意味を持つものになり、その人の成長にとっての大きな糧になる。
このような意識を持つことなく、経験を重ね、繰り返しても、それはほとんどの場合無意味である。
もちろん単純な喜びや快楽は得られるかもしれないが、それは残念ながら幸福にはつながらない。
人間にとっての幸せとは、感情や五感を喜ばせることだけではないからだ。
その意味では経験について、幸せについて、もっと本気で深く考えなければならない。
自分にとっての幸福の核をつかむのである。数多くの経験が、それを教えてくれるだろう。
それを重ねていける人の人生こそが、自分や他人を幸せにできる人の人生である。
経験からは、幸せになるための種子をいかにつかみ出せるか、幸せの意味や意義を知ることができるか、それが大切である。
どんな経験も、漫然とやり過ごしてはならない。全ては必要があって与えられた珠玉の宝物なのだ。
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