無限の可能性
「人間には無限の可能性がある」という言葉を、あなたも一度は聞いたことがあるだろう。
基本的にこのような言葉に騙されてはいけない。
人間自体が有限の存在であり、多くの限界を有している。
だから、多くの人が、あるときは慰めに、あるときは励ましに、言ってくれた言葉は、あなたに何ももたらさない。
人間は有限な存在であり、無限の可能性はない。
しかし、だからこそ、その有限の中で、さらに自分のやるべきことに限界を設けて、そこに集中することが大切なのである。
時間を区切る、場所を限定する。そうしてそこに集中する。
無限の可能性など追いかけない。今ここで自分のできることに限定して頑張る。
それが他人への影響や、多くの人々の助けを借りて、無限の広がりを持つことはありうる。
それはしかし、有限に徹したあなただからこそ可能になるのである。
甘い幻想は捨てて、現実的にできることをやればいい。
いつかは人間はこの世界を去っていくのだし、そうなったら、あなたのことを憶えてくれている人はいなくなる。そして誰も気にしなくなる。実はそれほど困る人もいない。
これはあなただからではない。誰でも同じなのだ。どんなに地位があっても、名誉を得ていても、富を積んでも。一人の人間としては、時間の流れの中で、必ず同じ運命をたどる。忘れ去られていくのだ。
だからこそ、限定や限界は決してネガティブなものでもないのである。
時間や空間、そしてこの宇宙は無限なものかもしれない。しかし、そこにくっきりと自分の限られた痕跡を残そう。
自分の無限の可能性など信じるのではなく、限界のある仕事を、一生懸命にやり抜こう。
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