日記を書き始める
自分の考えていることを毎日日記に書き始めたのもこの頃だ。
自分の心の動きや感情の動きを素直に書いてみると、自分というものがよくわかる。一体どれほど、この1年は心が揺れ動いていたのだろうか。
自問自答の日々が続いた。そして時折のNとの議論や相談。思考が開かれていく。
私は机というよりコタツの台で勉強や読書をしていたのだが、この頃は布団を敷いて寝たことがなかった。
部屋が狭かったせいもあり、コタツの台を置くと布団が敷けない。
勉強や読書に疲れたらそのまま後ろに倒れて寝てはまたおきて勉強する。そんな毎日だった。不健康極まりない生活だったが、この繰り返しの毎日によって、私の心の足腰は確実に鍛えられていた。

N以外の他人と話をすることもほとんどなく、完全に籠もっていたが、自分の言語空間や思考空間が徐々に広がっていくのを感じていた。
この頃、「職業」についても考えた。
自分に何ができるのか、何に向いているのかそんなことはわからない。ただ私自身が、スーツを着て働いているサラリーマンのイメージを抱けなかったことは事実だった。
当然だ。まだ働いたことがない。
私はあまりこの時期はアルバイトをしていなかった。
今にして思えば、もっともっといろいろな世界に触れる意味でも、アルバイトはたくさんすべきだったと思っている。
しかし、当時の私はそれよりも「学生に撤しよう」としていた。
今でなければできないことを、今やる。
そして、学生を卒業したらきちんと自立すること。
今は親の援助なしでは学生でいられないからこそ、その親の投資を最大限に活用する道を選ぶこと。
学生が終わったら一切親の援助は受けないこと。
そのための行き先を、そのための未来を私は求め続けていた。
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