教師としての試行錯誤
学生時代をいかに生きるか ―専門学校教師編―その14
私が勤めていた専門学校では、公務員試験に必要な科目を一通りは1年間ほどですべてやり終え、すでに終わった科目に関しては新規科目と同時に復習をやっていくやり方を行っていた。憲法やマクロ経済学などは入学してすぐに始め、夏休み前には一通り学び終えるのである。
異常な早さなのだが、資格試験や公務員試験の勉強法としては、これが正当なやり方であることは経験を積むうちにわかるようになった。決して学問的に追及することを求められていないのだから、基本を一通りやったら、問題演習をやるに限る。
問題を解く力がつけば合格できるのが資格試験であり、公務員試験だ。
その意味では、学生をいかに勉強させるか、ということが教師の側の課題になる。
わかりやすく教えることも必要ながら、学生のモチベーションをあげることが最も必要なのだ、ということは担任をもってからすぐにわかった。しかし、これがなかなか難しいのであって、結局はここに教師としての重要な役割があったのである。このために色んなことを試行錯誤してきたが、これは今も続いていると言える課題だ。
しかし、担任をもってすぐの私は、目先の授業をやりこなすことに追われて、そのような観点から学生に接することはできなかった。目先の授業や学生のテストの点数を小手先であげるようなことを行っていたように思う。
その意味では稚拙なクラス運営を行っていたわけであり、結局はその結果は学生が被ることになる。自分なりには放課後に希望者に補習を行ったりもしていたが、結果につながったのかはわからない。
クラスを担当した当初は、自分が何とか手を打って結果につなげなければ、という思いはあっても、どのように学生を動かすべきかは全くわかっていなかったように思う。
公務員試験の勉強法について言えば、基礎的なことを理解できたら、あとは過去問を演習するだけでいいだろうと今では思うし、次第にそのような考え方を実行に移していくことができたころにはいい結果が出始めたと言える。
このように教師と言っても、様々に試行錯誤しながらやっている面もあり、学生も自分自身で考えながら、効果のある自分に合った学習法を身につけて欲しいと思う。教師も学生もお互いに丸投げしないことが必要なのである。
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