思いを馳せる
8月もお盆の時期になると、お墓参りをする人も多いだろう。
自分の命が生み出されるまでに、その命をつなぎ、その環境を整えてこられた先祖に対して思いを手向けることは当然のことである。
しかし、人間は、いわゆる血縁などがなくても多くの人々に世話になり、多くの人々の貢献によって「今」を生きている。それを思えば、日本という国をつくり、つなぎ、守ってきた無数の人々の全てに、感謝をささげて、自らの気持ちを新たにする機会にしたいものだ。
人間は同時代を生きている多くの人々とのつながりによって支えられている。それと同時に過去の多くの先人たちの努力によって作り出された環境によって生きていることの重要性を考えよう。
そして実は自分自身もその横のつながりと、縦のつながりの双方によって支えられ、育まれ、成長してきたこと、そして自らもその中で、何らかの役割や貢献を成すべきことに思いを馳せよう。
若者には未来があるという。
しかし、若者には自分の過去もあり、またこれまで日本を支えてきた人々の無限の営みが存在する。その過去と未来のあいだで、自分が何を成すべきかを考えなければならない。
「個性」が大切だ。などと言われることがある。
しかし、その個性とは決して「個人化」によって得られるものではない。
過去と未来、そして同時代を生きる自分と他者との間でこそ、磨かれ、育まれ、輝くものである。
その自覚を強く持つことが、自分を最大限に活かす道につながるのだ。
過去と未来に思いを馳せて、今の自分が何をすべきか考えよう。
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