当時の学生たちの様子
学生時代をいかに生きるか ―専門学校教師編―その13
私が担任を持った当時の学生たちは、みんな活気があった。専門学校は、勉強もかなりやらせるのだが、学校行事も多くて、クラスの学生は仲が良かった。中には警察官や消防官を希望する学生もいたから、なかなか覇気のある学生たちもたくさん混じっていたのである(のちに警察官や消防官希望者だけのクラスが作られた)。
しかし、当然ながら、専門科目のある大学卒業程度の試験を希望する学生や市役所を希望する学生も多かった。専門学校に入学しておよそ1年で大卒程度の試験を受けて、見事に合格していく学生がいるのだからすごいものだ。
私が最初に担任したクラスも学生の希望は様々であり、それでも学生は専門科目の授業も含めてよく勉強していたと思う。
もちろん中には学校をさぼったり、休みの多い学生もいたし、遅刻が多かったり、早退ばかりしたりする学生もいた。このような学生をどうするかは、ずっと私の頭を悩ませた問題ではあった。朝から来ていない学生が多かったりすると、私のモチベーションは下がってしまうし、週に一度の大切な試験の日でも休んでしまう学生はいたからだ。
大学であれば、これは放置されることが多いのだろうが、専門学校では朝から来ていない学生の家には確認で電話をかけていた。親に嘘をついて学校に行くふりをして遊びに行ったりする不届きな学生もいたが、そうなるともう手のつけようもなかった。
専門学校も学費が安いわけではない。親から出してもらった学費を授業日数で割ると、一日の費用が算出できる(1日に5000円以上にはなるだろう)。それを安易に無駄にする学生は許せない気持ちがして、いい加減な学生にはかなり厳しく対応していたと思う。
しかし、彼らとて、何やら迷いがあったり、進路の変更を考えたり、大学に行きたくなったり、人間関係や家族の問題で悩んでいたり、色々な問題を抱えている学生もいたことは確かなことだった。そのような学生の一人一人の事情や背景を考えていると、一定の目標に向けて、何の心配もなく取り組める環境というのは実に有難いものなのだと感じた。
学生時代にそのような安定した環境下で、集中して目標を目指すことができるということは、本当に感謝すべきことである。そして自分がそのような環境下にあるのならば、最大限それを活用して、結果が出せるように努力する必要があるのだ。
学生たちは実に様々で、自分に厳しく努力する素晴らしい学生たちにたくさん出会うことができた。もちろん逆に、小中学生よりも自分づくりができていない学生たちもいた。まさに玉石混交の中で、学生たちはお互いに学び合っていたと言える。
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