学生の質問から学ぶ

学生の質問から学ぶ


学生時代をいかに生きるか ―専門学校教師編―その8

副担任の時も、正担任になってからも、できるだけ教室のなかを歩き回り、学生との接触時間を増やすようにした。学生も勉強熱心で、質問してくる学生も多かった。当然ながら公務員試験に必要なすべての教科に対応しなければならない。

私は、学生からの質問は、自分が精通していない科目に関しても積極的に受けるようにしていた。わからなければ、調べたり、他の先生に聞いたりして後日かならず応えるようにしたのである。

当初は質問を受けることに及び腰になることもあったが、わからないものはわからないと答えて、後で調べて説明すればいいのである。それによって、学生が引っ掛かりを作りやすい箇所が、かなり共通していて、自分もそれに答えようと勉強する中で、ポイントがつかめるようになっていった。

これは物事のすべてに通じる部分がある。最初から完全主義で臨むと、決して自分の成長は得られない。ある程度のところで見切り発車し、恥をかいたり、周りに迷惑をかけたりしても、動きながら学べばいいのである。そのようなやり方が身についてからというもの、私の授業運営やクラス運営は非常に楽になった。

正担任になってからまだそれほど経っていなかった1月18日の日記に私は以下のように書いている。

「担任の仕事というのにも、だいぶ慣れた。あとは学生たちのために良い結果を生み出すべく努力することだ」

ごたごたしてはいても、副担任の時期から2か月目で、ある程度、仕事の流れにはうまく乗れていたようだ。しかし、これは本来人見知りの激しい私に対して、まさにフレンドリーに接してくれた学生たちのおかげであった。

もちろん学生の立場からは、先生のくせに、質問にすぐに即答できないわけだからストレスになっていたことだろう。しかし、当時から私が何でも知っていると誤解して、あるいは何でも答えられると信じて、たくさんの質問をしてくれた学生たちには本当に感謝している。こうして無知無力な私は、学生の質問によって育てられたのである。

学生からの質問が来れば来るほど、私の力も伸びていったし、学生がつまずきやすい箇所が分かるようになったことで、今後の授業にも大いに生かすことができたのである。

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投稿者:

山道 清和

日本の未来への発展と繁栄のために、日本の学生には自分から学び、考え、自分の意見を持つことのできる人材になって欲しいと心から願っています。就職や公務員試験に関する相談も受け付けています。遠慮なくどうぞ。

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