初めて東京へ
大学院の入試もあと二ヶ月ほどに迫った頃、ゼミの加藤先生に東京に行ってくるように言われた。
明治大学大学院の栗本慎一郎教授(当時)が事前に私と会って話をしておきたいということだった。
私は著名な教授と直接会えるということで、とても嬉しかった。すぐに東京行きの準備を進めた。東京に出たことはこれまでに一度もなかった。
私から直接先方に連絡をとって、具体的な日取りや場所を決めてもらうことになった。最初に連絡をしたときは本当に緊張したものだ。
私はすでに東京の大学に進学していた友人の所(福生)に泊めてもらうことにして、そこから待ち合わせ場所に向かうことにした。
その教授は非常に忙しい人であったので、私と会うために時間を割いてもらうだけでも本当に申し訳ない気がした。
大学院は教授との距離が非常に近く、徒弟制に近いものがある。
教授が大学院に行くことを希望していた私の人柄を知りたいと思ったのは当然のことだっただろう。私が変な学生だったら(間違いなく変な学生なのだが)拒否もあり得たかもしれない。
ある大学から別の大学の大学院に行くことはなかなか難しいと言われていたが、そんな事情もあったのかもしれない。
もう寒くなってきた時期、私は東京に向かった。
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