再度、自分を見つめなおす
自分が将来どのような職業に就いて、どのような人生を歩むべきなのか。このような問いかけが大学の中ではむなしく響く。
あたかも誰もそんなことを考えていないかのように、当時の大学生たちは遊び狂っていた。
大学1年次が終わる頃から私はさらに猛烈に本を読み始めた。
アパートも家賃の安いところに引越しすることにした。生活のための経費を削り、できるだけ大量の本を読もうと思ったからだ。これまで食費込みで4万5千円だった下宿費を大幅に下げて、もっと自分の勉強や経験にお金を使おうと考えたのだ。
親友のNとも相談して安くて大学から近い住処を探した。もし部屋が空いていれば部屋は別にしてNと同じアパートに住もうと決めた。とにかく自分の思いをぶつける相手が近くに必要だったのだ。それはNも同じ気持ちだったのだろう。この頃にはもはや、自分一人で考えても何の局面も開けないことはわかっていた。
とにかく、相談したり議論したり、自分を外から見ていく視点が必要だったのだ。
引っ越しのための新たな住居は、探し始めたのが早かったせいか、すぐ見つかった。
家賃六千円(当時にしても異常な安さ)。
三畳一間(当時にしても異常な狭さ)。
トイレ、水道は共同(当時にしても異常な不便さ)。
ここで生活し、自分作りに没頭する。
自分がこの大学を出るときには決して後悔しない過ごし方をする。
絶対に何かをつかむ。
自分がこの世に生まれてきた役割や意味、使命みたいなものを。
大学二年次のこの一年間が私の人生のほとんどを決めたといってもいいくらいに、本当に貴重な一年だった。
この鬱な時期、自分と向き合っていた地味で何の変哲もない時間から、私の大学生活は大きな変化をみせるのである。
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