優しさを社会化する困難
最近は、たくさんの公務員志望の学生と面談をしている。話を聞いていると、本当に優しくていい学生が多い。
自分の身内や身近な人間、そして関わって自分の利益になる人間に対して優しくするのは簡単なことだが、公務員の仕事は、その優しさを社会化、一般化しなければならない。
そして、地域や国家、世界へと広げていかなければならない。
実は仕事として見た場合、それはとても大変なことだ。
それは優しさという感情だけでは済まない現実があるからである。ルールや法がある。多くの利害の対立がある。対抗する悪意も存在する。行政資源には限りもある。じつは限界や障害だらけなのだ。
すべての人の希望や願望は満たせない。
彼らはやがてそのような現実の中で、どのような気持ちを抱くのだろうか。
愛に厳しさが伴うように、また彼らの描く優しさにも、その具体化には厳しさが必要であることに気づくだろうか。
そして、それでもその現実の中で、決してあきらめずに、自分の理想を実現するまで、走り続けられるだろうか。
それとも、優しさの社会化をあきらめてしまうだろうか。
実はこれは、本当はすべての人間に、突き付けられた課題なのだ。
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