何故、今日本なのか(8)
インドの初代首相。それは、ネルーである。
日本は今後もさらにインドとの関係を強化していく必要があるが、この初代首相のネルーがこのような言葉を残している。
「アジアの一国である日本の勝利は、アジアの全ての国々に大きな影響を与えた。私は少年時代、それをどんなに感激したかをお前によく話したものだ。たくさんのアジアの少年少女、そして大人が、同じ感激を経験した」
これは、日本が日露戦争において、ロシアに勝利したことを受けての言葉である。
日露戦争当時、白人の列強国は世界のほぼすべてを手中に収め、植民地としていた。白人の植民地支配は、有色人種を人間とも思わない搾取、収奪の支配である。
日本の勝利は奇跡だとうたわれて、このように同じ有色人種の人々に大きな感激と感動を与えたのである。小さなアジアの国が、あの最大ともいわれたロシアを打ち負かした。
これは確かに世界史的事件だった。
この日本の勝利が世界地図や、その後の世界史に大きな変化をもたらしたことは間違いないことだ。
それは先の大東亜戦争にも言える面がある。日本は敗れたが、多くのアジアの国々が日本の奮闘に感激、自分たちの可能性を信じて独立運動を起こした。また現地にいた日本兵で、日本に還らずこの独立運動に共に参画した人も無数にいたのだ。
白人支配の世界を変える役割が日本にはあったのだと言える。
しかし、日露戦争後の日本は、この時が頂点だったとでも思えるほどに坂を転げ落ちる。敗戦してもなおアジアに希望を与えたが、肝心の日本国は、戦後の影響をいまだに引きずる。
自立できない国家になった。現に今もアメリカ軍の支配下だ。
日本海海戦において大勝利を収めた東郷平八郎は、「勝って兜の緒を締めよ」と訓示したが、はたしてその後の日本軍はどうだったのだろうか。
しかし、日本国が果たすべき世界史的使命はまだ終わってはいない。
世界を平和裏に発展と繁栄に導く役割がある。しかし、政治家はもちろんのこと、財界人にも国民にもそのような気概はないようだ。
欧米の国(特にアメリカ)が、徹底的に日本を弱体化、骨抜きにする政策をいまだに続けているのである。
かつての日本の歴史を振り返り、それがいかに誇らしいものであったのか、また同時に失敗や課題や問題点は何だったのか、この検証もなされていない。ただ謝罪を繰り返しながら今だけを安穏と生きる国民の姿がある。
時として絶望したくなる時に、日本の先人たちが、多くの世界のリーダーたちから賞賛された言葉を思い出したい。
「独立自尊国家」日本を再び蘇らせ、真に世界の平和と繁栄に貢献できる、強く優しい国にするために、国民は目覚めなければならない。
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