仕事とは何か
学生時代に、「仕事」とは何か、ということを自分なりに考えておくといい。
私もこれまで色んな仕事をしてきたが、仕事そのものが楽しい仕事もあるし、とても大変でつらいと感じたものもあった。しかし、そんなものとは関係なく「自分の仕事」を創造できることを学んだ。
仕事をしない人生が楽でいいとか、仕事に縛られない人生を生きていきたい、と思う学生もいるかもしれない。
もちろん、まずは生活の糧を得るという目的はあるだろう。自分で経済的に自立し、経済的に他の人に依存しないで済むための条件を整えなければならない。
しかし、夏目漱石の小説の中のセリフではないが、ただ食うために働くというのは、仕事がきついとか大変などというのとは別の意味で、本質的につらいものだ。
目的が、お金を稼ぐだけなので、仕事は手段にすぎず、手段であれば基本的に何でもいい、あるいはできるだけ苦痛の少ないもの、めんどくさいことが少ないものを選びたくなる。
そして最後は、お金がありさえすれば、仕事はしなくてもいいものになり、人生から「仕事」という大切な要素が排斥されることになる。
人間はお金を得ること以上の意味を仕事に見出したがる存在である。
そしてそこにその人の人生観や価値観が表れる。
その人生観や価値観が、多くの人がまねてもいいもの、多くの人が尊敬できるもの、多くの人が意義を感じてくれるもの、多くの人が理想を見出せるものであれば、その仕事は、まさに本物の「仕事」として、社会にその名誉ある位置を占めることになる。
これは仕事の種類とは全く関係がないものである。
自分の人生観や価値観と仕事の関係をいかに作っていくのか、それが大きな課題なのである。
仕事には実にいろんなものがある。お金を生まない仕事もあるし、それも十分な価値を持つ。
対価として「価格」のつく仕事もあるが、「価格」はつかないが「価値」のある仕事はこの世界には無数にある。
そのような世界の中で、あなたはどんな仕事をしたいのだろうか。
価値を生み、人生観を表現できる仕事は実は自分で作るしかない。
それは起業しろとか、サラリーマンになるな、という意味ではない。
どのような雇用形態で働くとしても、また雇用されないで働くとしても、また、どんなな業種や業態であっても、仕事とは自分なりの価値を生み、自分の人生観を反映させることは可能なものなのである。というより、自分でそれを行うことが仕事以上の仕事なのだ。
そのようなことを実現する場としてどんなところを選ぶのか。と考えて職探しをするだろうが、その場所によって、あなたの本当の仕事が影響を受けてはならない。
どんな場所でも自分の仕事をするのである。仕事とは「自分の仕事」以外にはない。
それはあなたしかできない。
だから仕事は何をするかだけではなく、どのようにするか、ということや、どんな思いでするか、ということが決定的に重要なのである。
そこに自分だけの仕事が存在し、あなたがこの世界で仕事をする意味や価値がある。
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