フリーターについて

フリーターについて


間奏曲―フリーターの時代―その23

毎日、休みなく働き続けるフリーター生活は続いていた。
私はこの頃初めて、あまりの疲れに、立ったまま意識を失ったことがあった。電車の中でつり革につかまっている時に、意識がなくなり(とはいっても気を失ったのではなく眠気のためだったと思うが)、前にいた人に倒れこんでしまい、迷惑をかけたことも何度かあった。

フリーターの中には将来の目的があって、その夢を実現するために、あえてフリーターになる人もいるだろう。また就職難のためにフリーターにしかなれなかった人もいることだろう。


フリーターから脱出するためには目的あるフリーターになる必要があると思う。自分が将来就職したい業界に関連する分野でのアルバイト。またアルバイトをしながら学校に行ったり自分で勉強したり。


もちろん高尚な目的や夢はなくてもいい。最終的には大きな夢や目標を設定することが、大切なのかもそれないが、日常の具体的な仕事の世界ではそのようなことだけで、仕事ができるようにはならないからだ。


今やっている仕事から何を学ぶか、あるいはその仕事から何かを学んでやろうという小さな目的が必要なのだと思う。このような気持ちになれるかどうかが、フリーター脱出のための大きな鍵になるのではないかと思うのである。


せっかくお金をもらいながら仕事をしていくのであれば、その時間をただの時間の切り売りにするのはもったいない話だ。そのアルバイトにおいて、自分なりの目標を設定することは非常に重要なことだろう。


私の場合、夢や理想があったのにフリーターになったのか、就職できずにフリーターになったのか、というと、どちらでもあり、どちらでもない感じだった。
高い目的や夢のためにフリーターをやっていたのかというとそうではない。しかし就職が客観的にできなかったのかというとそうでもなかった。


何を自分の職業にすればいいのか、当初はそれがよくわからなかったのである。
そのような形でフリーターになっている人も少なくないのではないだろうか。


私はフリーターとしてアルバイトをしているとき、漫然とアルバイト生活をやっていてはならない、と思った。
そしてこんな目標を立てた。
「正社員になって欲しいといわれるくらいまで、一生懸命に仕事をすること」
「少なくとも、任されたことに関しては正社員以上に働くこと」
「様々な分野の本の読書だけは続けること」


一生懸命に働くフリーターになって、正社員を超えるという意識をもっていることは本当に大切なことだ。なぜならそのような心構えで働いていることによって、得られるものが大きいからである。


せっかくフリーターになったのだ。確かに社員のような責任もないかもしれない。権限もないかもしれない。しかしそれは組織の中の理屈であって、そこで仕事をする人は、どのような仕事をするにしても、自分に与えられた権限、責任を自覚して仕事をしなければならないのである。


それは意識や気持ちの上ではすでに正社員と同等か、それ以上の世界を生きていることになるし、その継続が現実を変えていくのだということを知ることが大切だと思う。

Share this content:

投稿者:

山道 清和

日本の未来への発展と繁栄のために、日本の学生には自分から学び、考え、自分の意見を持つことのできる人材になって欲しいと心から願っています。就職や公務員試験に関する相談も受け付けています。遠慮なくどうぞ。

すべての投稿を表示

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Proudly powered by WordPress | Theme: HoneyPress by SpiceThemes