サークルでのさらなる出会い
勉強や就職の話は、少し置いておこう。
この年は私が最も力を入れていた「ショパンの会」にたくさんの新入生が入部してくれた。
私の大学最後の年に、たくさんの新入生と交流できたことは非常に大きな価値があった。
多くの4年生は、サークル活動からは離れてしまい、あまりかかわらなくなる場合も多い。
やはり就職や卒業に向けてやるべきことが増えてくるからだ。
私はそのことについてはあまり心配せず、あるいは気にもせず、中心となってサークル活動に関わった。
部員が増えてきたために、部室が必要となったが、できたばかりのサークルには部室などなかった。
私たちは部員が集まれる場所として、安くで借りることができる大学外の部屋を探し、そこを部室にしようと考えた。部員が大勢いれば一人当たりの負担額は小さくて済む。
大学から近く家賃の安い部屋。それはすぐに見つかった。
ちょうど私が住んでいたアパートの1階に空き部屋があった。
7畳ほどの広さで家賃は一万円。部員は今年の新入生のおかげで20人以上はいたから、1人500円も出せば借りることができる。
大家さんに相談して、あっさりと話がついた。
この部屋のおかげで、このサークルのメンバーは非常に深い交流が可能になり、様々なドラマが生まれた。時間の制限もない。自分たちの住処なのだから、締め出されることもない。
週末になるとこの部屋に集まり、飲みながら朝方まで語り合った。毎週のようにみんなで集まりお互いに屈託なく話し、相談し、バカ騒ぎもした。平日でも大学が終わるとこの部屋に集まってきて、話しては帰る。
家賃の支払いや、様々な手間は部長であるKくんが取り仕切っていたので、私は何もしなかったが、後輩の相談事などにはかなり乗ってあげることができた。夜遅くても自分の部屋が2Fにあるわけだから、全く困らない。
あの場所を借りたことは大成功で、この時期からこのサークルが一気に盛り上がっていくのである。みんなの騒ぎ声や笑顔が絶えなかった(考えてみればショパンはどこに行ったのか)。
今でもその頃のことを鮮明に思い出すことができる。
Share this content:
コメントを残す