「10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと」山口揚平
魅力的なタイトルの書籍だ。平凡な「若者」と成功を収めた「紳士」の対話形式で進められる読みやすいレッスンになっている。
日本が今後さらに階層化することを見据えたうえで、どのような準備をすべきかが述べられている。
今後タテ社会から、ヨコ社会へのシフトが起きて、少数派と多数派が逆転する社会が到来することが述べられている。そのような社会の中では「承認」や「貢献」が重要な要素になり、スキルや知識の価値は相対的に低下していく。
また、アートやデザインを学ぶことの重要性も指摘される。アートとデザインの意味をよく考えれば、これは的を射た指摘であると思う。
私のような昭和生まれの人間はもちろん経験したことのない大きな変化が今後訪れるのだろう。ビジネスを作っていくための具体的な要素なども述べられているが、若いサラリーマンがこれを読んで、実際に何をやればいいのかは、しっくりと来ないかもしれない。このような本から学んだことは、たった一つでもいいから実践してみる、行動してみることをお勧めしたい。
多くの人間は、このように未来を予想する本を読んでも、限られた環境の中で、具体的に何をすればいいのかがわからなくなり、次第にそのような気持ちを失っていくのである。だからすぐに何かを始めて、それを継続することだけを習慣にしてみる方がいいだろう。
もしやりたいことがあるのなら、就職先にやりたいことなど求めずに、自分ですぐにやってみればいい。小さな規模でも、それほどお金をかけなくても始められることは無数にあるはずだ。やりたいことがある人は徹底的にやりたいことにこだわってやってみたらいい。
また、まだやりたいことが見つからないならば、この本でも述べられているように何か他人に貢献することをやればいい。自分がやりたいことなど考える必要はない。他人のためにやるべきことを考えて実行に移すだけで、新しい局面が開けたり、新たな出会いが生まれたりする。そこから自分のやりたいことが見つかることもあるだろう。あるいはそのような貢献そのものが、やりたいことになるかもしれない。
社会で活躍するためには主観である「やりたいこと」を排除して、ニーズ思考で行くことが必要だというくだりがあるが、私はこのような考え方とは少し違う意見を持っている。
自分の中にある種子「シーズ」と社会の需要「ニーズ」が一致する場所を見つけることが学生時代には必要だし、社会人も、自分の与えられた環境の中で、それを一致させる努力をすることで、人間は継続して仕事ができるし、幸せになれるのだと思う。そこにはまさに天職の場所があると思うからだ(もちろんお金を稼ぎたいという動機での起業ならば、社会のニーズには逆らえないし、それだけでいい)。
ただこの本は今後の時代の展望や、基本的な考え方や心構えについて述べられているから参考になる項目はたくさんあると思う。優秀で経験豊富な著者の言葉から自分に必要な言葉や概念をつかみ取り、考え方や行動の変化のきっかけにして欲しい。
(公立図書館で借りたので、0円)
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