「クスリに殺されない47の心得」 近藤 誠
勇気のある著者による、断薬のススメである。著者はある意味で非常に有名な医者である。現代の医療の問題点に鋭く切り込んでいる。おそらくは多くの医者や医療関係者を敵に回すという意味で、かなりの勇気が必要だったと思う。
なにせ「患者よ、がんと闘うな」とか「がん放置療法のすすめ」とか「医者に殺されない47の心得」とか、常識的には非常にショッキングなテーマの本を書いて、多くの国民に警鐘を鳴らしてきた人物だ。普通の医者からはおそらく評判が悪いに違いなく、医者の利権や利益を損ねる内容の本ばかりだからだ。
逆に言えば、このような本を書いて国民に訴えることは、少なくとも医者としての利益はほとんどないだろうと思われるから、逆に信用できる面もある。
この本にあるように、ほとんどの薬が、一時的に症状を緩和したり止めたりする作用があるだけで、なんら根本的な治癒に役立たないことは、私も別のところで述べた。それを踏まえて、どのようなことに注意していくべきかが、47つの項目を立てて述べられている。
日本には、薬を信仰する多くの患者がいる。もちろん私も時々頭痛薬を飲むことがあり、そのような頓服薬に関しては、有効でありかつ有用であることはわかっている。また本当に薬の力で日々の生活が救われている人も多いことも理解している。しかし、基本的には極力薬を使わず、健康を取り戻すことが大切なのは言うまでもないことだ。
そもそも、薬を中心にして医療の世界を大きく変えたのは、ロックフェラーである。石油の精製から薬品を作り出すことや、それを使って医療行為を行うことを積極的に進めてきた。古くからある伝統的な医療は事実上崩壊し、薬を用いた医療は現代の主流になっている。
ロックフェラー財団は数々の医療に関する支援を行っているが、その支援を受けるためには、これまでのような伝統医療に依拠せずに、薬(石油から作られた)などを用いた医療に賛同し、それを行うことが条件になっている。
つまりこうやって支援という名の下に、医療の世界を自分たちの利権の世界に塗り替えてきたのが、ロックフェラーのようなグローバル財団なのだ。その意味では、金儲けについては非常に賢い人であると思う。日本は特に戦後は、アメリカによってこのような医療の大きな影響を受けたのである。
そしてそれが今の高齢者を代表とした、薬漬けの現状を生み出しているわけである。
当然に彼らの儲かり続ける仕組みは、病気を作り、薬を飲ませ、また健康を守るためにとワクチンを売りさばく。
現代人に農薬や化学肥料などの多く使われた食材を食べさせることで癌などの病気を作り出し、それを治療すると言って高額の抗がん剤を売り付ける。薬によって循環させられて多くのお金がそこにつぎ込まれ続けるわけである。
また、今回のようなウイルス騒ぎが起これば、ワクチンでも大きな利益を上げることができる。このような利権構造に完全に取り込まれ、その片棒を担いでいる医者は数多い(もちろん本人たちは善意の場合も多い。医療行為の基準がそのようになってしまっているからだ)。
この著者のように、現代の医療の危険性や問題点を正面から取り上げて堂々と批判している人は本当に少数派である。47の項目のうちには、私としてももう少し調査してみないと判断できない項目がいくつかあるものの、ほとんどの内容に賛同できるものだった。
この本の冒頭に、著者の養生訓が書かれている。それは以下のとおりである。
養生の道は多言を要しない。
実行することは、
クスリ・サプリを飲まず、
医者に近づかず、
検診も人間ドックも受けないこと。
肉も野菜もよく食べ、
酒も甘味も楽しみ、
タバコだけは避けること。
よくしゃべり
良く動くこと。
過去を追わず、
未来を悩まず、
今この時を大切にすることだ。
これが養生の大切な点である。
おそらく、多くの人はすべてには賛同できないだろう(笑)
しかし、現代の医療の果たすべき役割が何なのか、実際に医療の発達によって、人間は幸せになっているのか。病気は減ったのか。考えるべきことは多い。
その意味では医療の歴史を学んでみると、現代医療の問題点がよくわかるだろう。医療関係者には是非医療の歴史を学ぶことをお勧めしたい。
最近は「クスリ減らす科」という診療所もあり、薬に依存している人々に、少しずつ薬を減らしていくための方法を伝授している医者も現れている。とてもいい傾向である。なにせ、日本の社会保障費の多くは、この薬剤に注がれているからだ。
無駄な薬を排除し、人間のもつ元々の状態(元気)を取り戻し、少なくとも薬に依存する生活を抜け出せる人が増えることを望みたい。
この著者は癌に関しても独特の見解を有している人であり、こちらの方でむしろ有名な人だ(だからこそ批判や敵も多かった)。癌についてのセカンドオピニオンとして、この著者の意見も学んでみるといいだろう。
私は癌などの病気の専門家ではないが、この著者の勧めるような「癌放置療法」については、個人的には賛成であり、自分が癌になったら、そうしようと決めている。だからそうならないよう、そしてそうなっても後悔しないような毎日を送るように心がけているのである。健康や医療に関する本は無数に読んだが、徐々に自分の考え方や生き方として、自分なりの方針は決まってきた。
人間はいつどうなるかはわからない。健康について、死について、生き方について、自分なりの方針を決めるためにも、このような著書からの学びはとても大切なことのように思われる。もちろん、これからも健康であり続けるために、である。
(BOOK OFFで購入。110円)
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