東京での第一歩
東京に着くとすぐに友人の部屋を訪ねた。羽田から乗り換えて、福生の駅まで。外はもう暗い。友人の住むマンションを探し当て(友人は引っ越しをしていて、以前上京した時とは場所が変わっていた)部屋にたどり着いた。
その部屋は鍵ではなく、番号を入力して開ける仕様になっていたので、友人から教えられていた番号を入れ、ドアを開けた。
私の荷物がその部屋には届いていた。数十箱の段ボールが部屋の隅に積み上げられている。ここで間違いない。
自分で部屋を探すまではここが一時的な住処になる。
東京に到着したその日は、帰宅の遅い友人の帰りを待った。
狭いマンションの一室で本を広げながら友人の帰りを待っていると、急に孤独感が襲ってきた。
これまではいつも大勢の友人や後輩達が自分の周りにいた。
これからはまた新たな人間関係を作っていくことになるが、東京に友人がいたことは私にとって本当に幸いだった。
この部屋の住人である私の友人(S)は、私の高校時代の友人で、東京の大学に進学するも中退し、今はフリーターとして色々なアルバイトをやっていた。
それでも収入は低いわけではなく、それなりの贅沢もしているようだった.
友人はもう夜中、と言える時間になって帰宅した。その日は夜遅くまで友人から東京についての話を聞いた。

これからこの東京で何年過ごすことになるかはわからなかったが、当面2年間は学生として過ごすことになる。
その意味で私はまだ甘えた身分だったし、将来が決まってはいないものの、生活などに不安があるわけでもなかった。
アルバイトなど、東京ではたくさんある。明日からは急いでアルバイトを探さなければならない。親は色々心配してくれたが、私としては学費以外にかかる費用は、奨学金とアルバイトでどうにかするつもりだった。
友人に部屋代を一部負担することを申し出たが、そんなものはいらない、とあっさりと断られた。彼も寂しかったのかもしれない。
ただ、私にとっては幸いなことに、しばらくは家賃無料で生活できることになった。
場所が大学からはかなり遠いので、できるだけ早く、いい住居を見つける必要もあった。
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