心を開いて
学生時代をいかに生きるか まとめ編 その28
大学に入学してしばらくは様々な社交に忙しかった私も、次第にその空しさを感じ始めていた。その場は楽しい気がするのだが、どうにも心が芯から開放された気がしない。
だんだんクラスやサークルの人間関係にも疲れてしまう自分がいた。
結局、自分が心から本音を話せる友人がいなかったのであろう。
そのためにだんだん自分の世界にこもりがちになった。これは大学に入ってすぐに起きたことだ。当時私は人見知りが激しく、簡単に他人と打ち解けられない人間だった。
異性と話すことはもちろんだが、同性の人間であっても、簡単にはうちとけなかった。
唯一、同じ県から来て、サークルが同じだった友人がいて、彼だけには本心を話すことができたし、この友情は学生時代ずっと続いた。卒業にいたるまで、ずっと私の近くにその友人がいて、いろんなことを一緒にチャレンジし、多くの経験を共にした。
大学時代には学校に来なくなるクラスメイトもいて、一部の人間を除いてはみんながばらばらの世界を生きていたように思う。
サークルやクラブ活動で本当の友人を見つけられたら、それはラッキーで、そうでない学生は自分の世界に閉じこもり、学校に来なくなったり、留年したりしていた。
当時は景気がよくて、大学生はほとんど勉強していなかった。就職も引く手あまたで、学生にとっては恵まれた環境だったが、それが逆に災いしたと思う。
自由を使いこなすことのできない学生たちは日々のアルバイトや消費生活、サークル活動などで時間をつぶし、お互いに協力することや、困難な状況を共に乗り越えるというような経験をしない。
これが人間関係を希薄なものにしていて、学生たちを空しい気持ちにさせていたのだろう。
現代は、このときとはうって変って就職も厳しい。大学できちんと勉強したり、何かを身につけたりしなければ、社会に出て自己実現していくことは難しい。就職もままならない時代だ。
このようなときだからこそ、学生は自分というものをきちんと表現し、本音で語り、自分をさらけ出すことで、本当に信頼できる仲間を作って欲しい。
環境が困難であるからこそ、協力し、助け合って乗り越えていくことでお互いの絆は強くなる。また共に何かを達成する喜びも共有することができるだろう。そのような喜びはただ一人で何かを達成する喜びとは比較にならないほどの大きな喜びをもたらすはずだ。
もちろん、友達は手段ではない。共に生きる時間が、ただただ目的であるような、それだけで幸せを感じられるような、そんな時間を過ごしてほしい。
そのためには自分から心を開かなければならない。積極的に働きかけていくことで、きっと何かが変わるだろう。もしも今、自分の世界で孤独を感じることがあったなら、ほんの少しの積極性を、ほんの小さな一歩を、日々の心がけとしていくことで、きっとその現状が打開されるに違いない。
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