みんなで思想家になろう
世界には、歴史に名を残すような優れた「思想家」が存在している。過去も現在もその営みは継続されている。
そしてこのような人々が積み重ねてきた思考の数々が、思想的遺産となって残り、今の世界を形成している。
人間世界の根本にあるものは思考であり、思想なのである。
そう考えると人間を不幸にし、人間社会を崩壊させてしまうのもまた、思考であり思想である。
「思想」はしかし、誰か特定の人の専有物ではない。人間が思考する存在である限り、誰もが小さな思想家なのだ。そしてそれをもとに自分の未来を作り、周りとの関係を形成している。
人間であることを放棄するのは簡単である。思考しないこと、自分なりの思想を形成しないことである。その意味では、人間性を失わせる最たるものが「思考停止」であることがわかるだろう。
しかし、周囲を見渡してみると、大切な自分の判断を他人にゆだね、マスコミの情報をうのみにして流され、情報や刺激に機械的に反応して、何も考えていない人が多くはないだろうか。
すでに、人間性を喪失している人々が、この日本にも、無数にいるのだ。
周囲の情報や意見を思考の材料として、自ら考える。それがまさに自分の人生を生きることであり、自分の人生に自分らしく責任を持つことである。
古来から、人間存在の価値や偉大さに気付いている人は、この人間がもつ思考のパワーに注目してきた。思想が自分を変え、他人に影響を与え、世界を変えていくことを知っているのだ。
人間一人一人に、この力が与えられていることの意味を考え、この力を自分で封じてしまうことがないようにしなければならない。
その意味で、誰もが、小さくとも「思想家」でなければならないのである。
ああ、もちろん、空理空論の思想家ではなくて、行動する思想家だ。
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