幸福について(2)
人間社会の幸福は人と人との間に生まれるものである。
しかし、人間にとっての実存的な幸福というのは、そのようなものを捨象したところにも厳然と存在している。
誰にも、何にも、影響されない幸福である。
それは、無心に、夢中に、時間を忘れて何かに没頭しているときの幸福感だ。
人間にはこのような社会関係や人間関係に左右されない幸せを感じる力(というよりも性質)がある。
これはたとえ周囲の人に理解されなくても、また周囲との関係がうまくいかないようなときでも自分の人生を前に進めるために、天(神)が人間に与えたものである。
このような幸福を知っている人は、たとえ誰からも理解されなくても、自らがなすべきことや、なしたいことをやり遂げる力を持っている。
このような幸福感を、学生時代に経験して欲しいものだ。
人間は人から認められたり褒められたらうれしいと感じる。また逆に批判されたり、否定されたり、無視されると傷つき不幸な気持ちになる。
しかし、それを超えてもなお、自分のやるべきことに無心に打ち込む時間を持ってほしい。
そのように無心に打ち込む対象を持ってほしい。
このような時間を経験することが、その人の強さにつながるからである。
そして、その強さが、自分の仕事を、他人の評価や毀誉褒貶に関係なく、実現していく力になっていくのである。
学生時代にそのような幸福感を経験できた人は幸いである。
あなたは、もはや誰の力を借りることもなく、自分で自分を幸せにできる人だからだ。
Share this content:
コメントを残す