将来の仕事を考え始める
間奏曲―フリーターの時代―その20
フリーターの時代に最も多かった時で5つのアルバイトを掛け持ちしていたために、いつも慢性的な疲労は抜けなかった。
私の人生の中で、この頃が一番体力があったのではないかと思う。
相変わらず病院の職員休憩室での朝早い時間からの勉強は、続けており、それは習慣になっていた。疲れて帰ってきては、3畳の狭い部屋に帰ってきて、少し読書をしたらすぐに寝るような生活をつづけた。それでも私は徐々に、自分の方向性が見えてきていた。教育関係に進もうという気持ちは強くなってきていたのだ。
塾や家庭教師の仕事、そんなことをやっているうちに自分には案外向いているのではないかとも考えていたし、何よりも将来のある子供たちや、大学生くらいの年齢の学生たちに伝えたいことがたくさんあった。
私が大学時代に感じていたこと、そして、今も考え続けていること。しかし、今の私では大学などに職を得ることなどできるわけはない。だから、まずはどこから手をつけるべきかと考えていたのである。
虎ノ門病院の仕事は大変だったが、病棟の看護師さんや周囲の看護助手の仲間たちは本当にいい人ばかりで、働きやすく、職場環境は良かったから、すぐに辞めたいとは全く思わなかった。
しかし、ずっとこうしていても、自分の進むべき道には進めない。どこかで決断し行動する必要がある。
何かきっかけがあるはずだ。私は、とりあえずはそう考えて、毎日の仕事を悔いなくやり続けようと決めた。
何か必要な変化が起こる時期がきっと来るはずだ。
だからそれまでは勉強を続け、仕事を続け、多くの人に出会い、可能な限り多くのものを吸収しよう思った。
ただ、時折転職雑誌などを購入して情報収集を始めることにした。
そのきっかけを探し始めたのである。
求めれば与えられる、探せば見出せる。その言葉は真実である。
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