高円寺に引っ越し
大学に通うのがあまりにも時間がかかり、勉強するのに支障が出てきた。
私は居候していた友人の家から、もう少し大学に近い場所に引越しすることに決めた。
奨学金が入り始め、アルバイトも決まった。そして何より引越しするのにアルバイト先の便利屋の社長が無料でやってくれるということで、何とか金銭的に軽い負担で済みそうだったからだ。
学生に部屋を紹介している不動産に足を運んで、結局大学まで電車で30分くらいの場所(高円寺)に部屋を借りることにした。
家賃は4畳半一間で4万5千円くらいだったと記憶している。
大学時代には3畳一間に住んでいた私にしてみれば、十分な広さだったし、何よりも大学に近くなったことで体力的にも楽になった。
ただ、私を最初に東京に迎え入れてくれた友人は、私がその部屋を出て行くとき、本当に寂しそうな顔をしていた。
友人に対しては感謝しきりだったが、私も私の道がある。
そうして大学院に入学した年の5月。2トントラックに私のわずかな荷物を載せて友人宅を後にし、新しい住処に向かった。場所は高円寺の北口から歩いて10分くらいの場所だった。
勉強に集中し、専念できる環境が整ったわけである。
便利屋の社長は便利屋の仕事の中で手に入れた家具(処分を頼まれた家具)や、ベッドを私にくれた。引っ越し代は無料。運搬から搬入まで手伝ってくれて、本当に感謝に絶えなかった。
私は結局この場所にその後4年ほど住むことになった。
またその高校時代からの友人とは、この後ほとんど会う機会もなく、何年もの歳月を過ごしてしまうことになった。
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