貯蓄から投資へ
お金のインテリジェンスを身につける ーその1ー
私が、30代のころに、お金のことで影響を受けた本がある。それが明治時代の日本の富豪(しかも財界人ではなく学者)である本多静六の「私の財産告白」である。この本は当時よく読んでいた渡辺昇一氏がその著書の中で紹介してくれていたので、買って読んでみたのである。
そこには本多静六が富を築いていった方法が書かれていたのだが、私がすぐに実行に移したのが4分の1天引き法であった。
簡単に言うと毎月の収入の4分の1を強制的に貯蓄し、ボーナスなどの臨時の収入はなかったものと考えてすべて貯蓄をするというものだ。
結局、投資をすると言っても元手がないと始まらない。その元手はだらだらと毎月余ったお金を貯蓄するだけではいつまでたっても貯まらない。そこでこのようなルールで貯蓄を作っていくのである。
天引き法で貯蓄を増やしていく方法は全く合理的であり、先に収入から天引きしておかないと、お金はあれば使ってしまうものである。この貯蓄法は現在でも勧められるべきものだと思う。
ただ実際にこの本多静六の作ったルール通りにやるのは難しかった(子育て中だった)から私なりに多少はアレンジして貯蓄をしていた。
残念ながら今の日本では貯蓄をするだけではお金は増えない。したがって、投資にまわすための資金をまずは蓄える必要があったのである。
もちろん投資をするのに必ず自己資金が必要なのかと言われれば、絶対ではない。フルローンによる不動産投資などの手法もあるし、ほとんど少額で始められる投資もあることはあるからだ。
しかし、それでも元金の大きさはリターンの大きさに直結する。また余裕資金を生み出すためにも、まずはこのような強制貯蓄をすることが必要だろう。
まだ若いころから、基本的には貯蓄から投資へという流れを作るためにも、この本多静六の4分の1天引き法を実行してみてはいかがだろうか。
人生の早い段階から始めれば始めるほど、大きな効果が期待できると思う。学生時代には基本的にお金がなく難しい面もあるが、アルバイト代の一定割合を貯蓄に回すと決めて、当然それを差し引いた残りの金額で生活するのである。習慣として、そのような癖をつけておくと将来役に立つと思う。
貯金をする奴はバカだ、などと言っている人もいるし、それは一理あるのだが、それを含めても、これを実行したほうが選択の自由が広がるのは事実だ。
だから、堅実に元手を作る道を選ぶべきだろう。そこからがスタートだ。目標額を決めてすぐに始めてみよう。
本多静六の「私の財産告白」
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