自立と依存の間

自立と依存の間


学生時代をいかに生きるか まとめ編 その10

学生時代は経済的自立、精神的自立を目指して自分を創っていく時代である。

親からの依存を断ち切り、他人に依存する弱い自分を克服し、確固たる自己を作る。

しかし、待ってほしい。

本当に自立した人間などこの世界に存在するだろうか。

誰もが親から生まれ多くの人の世話になり、自分、自分と言いながら、本当に自分だけで生きている人間などいない。

だから本当は自立することを目標にするのではなく、自立のあり方を考え、周囲の人間と相互依存する関係を作っていくことが大切なのである。

一方的な依存関係はお互いを幸せにしないかもしれないが、お互いに健全に依存する関係は人間関係の健全さを示すバロメーターなのである。

だから網の目のようにお互いがつながっていながら、自分だけではつかむことのできないもっと大きな人生の獲物を、他者と協力して掴み取ろう。

たった一人でつかめるものなど人生においてはたかが知れているからだ。

もちろん物事には、自分一人ででもやってのけなければならないときがある。そして、個人の覚悟や心構えとして、それが求められることは多い。

それでも、それを可能ならしめた多くの人が、自分の背後に存在していることを忘れないことだ。

自立していくことが、他人との間に壁を作ることではなく、いかに多くの人と健全な相互依存の関係を作ることができるか、なのだと考えたら、もう少し肩の力を抜いて、自然体で生きることもできるだろう。

自立と依存の間を極めたものが、自己の成長と社会の発展への貢献を可能にするのだ。

自分一人で仕事ができる、パソコン一つでお金が稼げる、自分の力だけで仕事をしている。そう思っている人、そしてそれが可能だと信じている人。

あなたを育てた多くの人々がおり、そのパソコンや稼げるインターネットの仕組みすら、それを作った人がいる。環境も仕組みも、自分一人では作れなかっただろう。

自分を独立し、自立していると思っている人、あなたがそれでも生きていける環境やこの時代は、あなたがたった一人で作ったものではないだろう。

それを、心の底から感じ取り、その依存してきた人々や社会や時代に、自分なりのお返しをしていく過程が、人生でもあり、自立と依存の間を歩いて、幸せを創っていくべき、真の人間の姿でもあるのだ。

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投稿者:

山道 清和

日本の未来への発展と繁栄のために、日本の学生には自分から学び、考え、自分の意見を持つことのできる人材になって欲しいと心から願っています。就職や公務員試験に関する相談も受け付けています。遠慮なくどうぞ。

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