何をすればいいのだろう

何をすればいいのだろう


 大学に入ってからしばらくすると、これまでのいきさつから、色々な本を読んで考え事をしている時間が長くなった。

大学の良さをあえて言えば「考える時間」がたくさん取れること。

 特に文系の学部は比較的暇な時間が多く、課題やレポートなどもそれほど多くはなかった(現在の大学生はもっと忙しそうで、ある意味では恵まれているのかもしれないが、贅沢な時間が減少しているともいえる)。

 しかし、多くの大学生たちはこの時間を使いこなせず、自由な時間を自らの堕落のために放棄していく。まさに「自由からの逃走」だ。勉強しないのはもちろんのこと、何もせずに引きこもってしまったり、大学に出てこなくなったりする学生も少なからずいたのである。当然に、単位がとれず留年となる。

 私は絶対に留年はできないという気持ちはあったので、授業だけはきちんと出席、単位をしっかりとってその後、自由な時間を確保しようと考えた。

 大学ではなぜか授業に出ないことや、不真面目な学生であることが「かっこいい」というような雰囲気があった。

 確かに有名人や成功者の中には浪人や留年の挫折を味わった人がいたりもする。つまり失敗の経験がその人を大きくし、その失敗を生かして成長できる場合もある。

 つまり彼らは浪人や留年はしたけれどもそれを生かして成功したのであって、浪人や留年をすれば成功するというわけではない。大方の学生たちは何かに挑戦して失敗するというよりも、自由という名の重りに耐えられず、何もしないで沈んでいくのである。

 多くの大学生は大学での基本的な学びをおろそかにして、真摯な向上心や克己心を失ってしまっていた。

 周囲の雰囲気がすでにそのようなものだったので、私はこの状況には流されないようにしようと心に決めた。周囲の多くの学生たちと一線を画して、行動を共にしないことを決めたのだ。

 進級や卒業に必要な単位をそろえるための授業にはきっちりと出席し、その前提で自由になる時間をいかに使うかを考えようそう。思った。

 大学受験が終わって目標を見失った自分に、何か目標を与えようと考え始めたのだ。正直に言って、目標なんてなんでもよかった。自由に流されず、自分という船の羅針盤を方向付けてくれるもの。どんな方向でもいい、自分を成長させるための階段を。

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投稿者:

山道 清和

日本の未来への発展と繁栄のために、日本の学生には自分から学び、考え、自分の意見を持つことのできる人材になって欲しいと心から願っています。就職や公務員試験に関する相談も受け付けています。遠慮なくどうぞ。

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