次の時代を生き残るためには
これから来る時代を生き残るためには、一体何が必要なのだろうか。
ここでいう、生き残るとは、生物学的生命を生きながらえる、という意味ではない。
人間らしく、個性や自由を発揮しながら、幸せに生きていくことである。
そのためには、二つの観点が必要だ。
一つは現状を変える努力をすること。
そしてもう一つは、変わりゆく現状に適応していくこと。である。
若者はこの二つを共に実現することができる「可能態」である。
私は「人間には無限の可能性がある」という嘘は信じない。むしろ有限でもいいからその可能性を追求し、少しでも無限につながる何かを残すことが、人間の使命であると思う。
現状を変える、現状に適応する、このどちらをやるのかは、人それぞれだろうが、私が学生たちに望みたいことは、この双方を行って欲しいということだ。
その意味では「可能態」としての自分の存在を、勝手に固定化したり、不可能だと決めつけたり、自らを否定的に過小評価するなどは絶対にしてはならない。
若者は、人生の時間がたくさん残されているだけでも、十分にその可能性として、有利な存在なのだ。
現状に適応できずに絶望し、自己否定に走ってはならない。
また、ただ現状に器用に適応するだけで、好ましくない現状に目をつむり、世の不正や不幸を見て見ぬふりをして、自分だけの幸せに閉じこもってもならない。
現状にしなやかに適応しつつ、その現状を変えることができるよう、しなやかな強さを培って欲しい。
それが、自らの幸せと同時に、他人や社会、そして国家の幸せを実現する強力な力となるだろう。
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