本の価値(教養からの人生逆転)
私は学生時代に、毎月3万円ほど書籍を買うことに使っていた。毎月の食費よりも高かった。食費は2万程度だったが、別にこれは自慢ではない。
そして現在、学生時代よりもさらに多くの本を読んでいるが(読まざるをえなかったり、興味に任せて買っているが)、書籍代は毎月、数千円にも満たない。
私のブログの「読書しよう」という項目を見てもらえば、格安で本が手に入っていることがわかるだろう。
私の学生時代(30年以上前)には、書物がもっと高かったのだ。1冊の本を数百円から数千円で購入していたから、月にすると3万円ほどになっていた。
私の学生時代には、書籍の価値がもっと高かったのに、今では二束三文で売り払われている。私のように読書が好きな人間にはいい時代なのかもしれないが、冷静に考えると、喜んでばかりもいられない。
市場においては、本から得られる価値が低く評価されているということに他ならないからだ。
みんな本を読まなくなった。確かに情報を得るのには本でなくてもよくなった。動画や音声、漫画なども含めて、活字本は需要がないのである。
だからこそ、この書籍の格安時代を大いに利用して、たくさんの本を読んで欲しい。どんどん本屋がつぶれて、古本屋も立ち行かなくなっている。本屋は文化の担い手だ。これを維持しなければならない。
私はもちろん古本屋(BOOK OFFや神田の古本屋街、そしてアマゾンを利用している)を主に利用しているが、そこでみんなが買わないと見切りをつけられ、安く売りだされている書籍からも必要なものを買い集めている。
ハードカバーの学術書なども私にとっては非常に価値があるのだが、そんな本でさえ、200円とか100円で出ていたりする。
先日、神田の古本屋街で、「アリストテレス全集」のうちの一冊(大道徳学、エウモデス倫理学、徳と悪徳について、所収)が200円で出ていたのには驚いたものだ。アリストテレスには申し訳なく思いながら、もちろん200円で買った。
本に書かれている内容の価値は変わらない。いやむしろ今のような時代にはますますその価値を高めていると思う。しかし、価格はそれに見合わない形で暴落しているわけだ。
まさに教養の時代にはうってつけの環境になった。資金の少ない人間が、安い価格で、価値の高い書物を手に入れて大成功するきっかけをつかむことができる。
大逆転の時代が到来しているのだ。
追記)ちなみにBOOK OFFはスマホのアプリ会員で毎月2回ほど100円のクーポンが送られてくる。私は4店舗ほどを利用しているのでそれぞれの店舗から送られてくるから、1冊100円(税込み110円)の文庫や新書を毎月80円の出費で8冊購入することが可能だ。信じがたい時代である。
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