旅立ち
ついにその日がやってきた。鹿児島空港まではバスで向かう。
電車に乗ってバス乗り場まで行くと、30人以上の後輩達や友人が見送りに来ていた。嬉しさとともに、切ない気持ちが余計に大きくなる。
これで最後かと思うと無性に人恋しい気持ちになった。
1人1人に対して次々に言葉と握手を交わす。4年間のすべての時が凝縮されたような、つかの間の時間。
もうこの地に来ることはほとんどないだろう。彼らに会う機会も二度と来ないかも知れない。
私は、自分が出会った人々の人生に何かプラスになるものを付け加えることができただろうか。
彼らにとって私との出会いは意味があり、価値のあるものだっただろうか。
彼女が私に言った言葉が私を勇気づけた。
「先輩に出会えて本当に!ほんとうによかった」。
これからも、自分の出会う全ての人々にとってそうでありたいと、心から願った。
バスの出発の時間だ。

彼女をはじめとして5,6人の後輩と友人がバスにまで乗り込んでくれた。空港まで見送ってくれるのだという。
そのほかのメンバーとはここでお別れだ。
鹿児島空港行きのバスは時間がくると私の気持ちとは全く無関係に機械的に出発した。
いつまでもいつまでも手を振り続けてくれている多くの後輩達への感謝の思いで、いたたまれなくなった。
彼女が隣の席に座っていてくれなかったら、衝動的にバスを降りてしまっていたに違いない。
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