惜しみなく愛は受け取る
学生時代をいかに生きるか まとめ編 その13
学生時代には、異性との恋愛は非常に重要なテーマである。
春には様々な出会いがあり、キャンパスには多くの恋愛のドラマがあるはずだ。
恋愛感情は時としてなかなかコントロールしえない暴れ馬のように、自分を傷つけ相手を傷つける。
しかし、その恋愛感情をある程度方向づけ、自らの成長につなげていく方法が存在する。
それは、恋愛の強力な感情を「相手を理解する」ことに向けていくということだ。
つまり、恋愛感情という極めて感情的で衝動的なものの中に、少しずつ知性の働きを入れていくということである。
相手を深く理解するには、自分にもそれなりの実力が必要である。深い理解は共感を生み、それは恋愛を高い次元に昇華させ、愛と呼ばれるものに近づけていく。
もちろん、それができたからとて、あなたの恋愛が成就するかどうかはわからない。
しかし、恋愛を「相手を深く理解する」という段階にまで発展させることができたなら、あなたはその段階で相手の異性からすでに多くのギフトを受け取ったことになる。
なぜなら、相手を深く理解することは相手の存在を構成している数多くの経験、知識、個性というものを自分の世界に取り込むことであり、それだけ自分の世界を広げ、自分の器を大きくし、自分を成長させることになるからである。
だから、恋愛の成就だけに心を悩ませることなく、自分が好きになった異性を深く深く理解することに努めよう。
それだけであなたはすでに数多くのものを相手から受け取っているのだ。
有島武郎に「惜しみなく愛は奪う」という作品がある。「奪う」という言葉は過激だが、私は、相手を愛すれば、それだけで十分に「受け取っている」のだと思う。
それ以上を望むことなく、恋愛を通じて自分が成長し、その器が大きくなったことを喜ぶことのできる人間になりたいものだ。
もちろんこれは、かなり難しいことなのだが、そのように努力するだけで、あなたは恋愛を通じて、数段成長できることは間違いない。
だから、せっかく好きになった異性がいたら、徹底的に相手を理解することに努めてみよう。それだけであなたは、その相手から多くのギフトを受け取ることができるだろう。
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