引き寄せの法則が働くとき
修士論文の作成に苦労していた頃、少し不思議な経験をした。
あるテーマについてずっと考え続けていると、それに関する情報があちこちから飛び込んでくるという経験だった。いつも同じテーマで考えを深めていると、本屋でそのような関係の資料がどんどん見つかったり、他人から何の脈絡もなくヒントを与えられたりした。
人間の思考には環境を変える力があるのではないかと思った。
一つのテーマや目標を考え続ける、そこに磁力が発生して必要な情報や解決策が引き寄せられるように集まってくる。
私の指導教授も似たようなことを言っていた。
今は自分の本心とは少し違うようなことをやっていても、心の奥底に本当の問題意識や理想や目標を失わなければ、長い時を経て必ず解決の道は開かれる。
必要な人との出会いがあったり、環境が変わったりしていくのだ。
自分が本当にやりたいことは心のなかにしっかりと持ち続けて、しかも目の前のやるべきことを確実にこなしていく。
そのような気持ちになってからは、自分の将来を気に病むことが少なくなった。自分のあるべき姿、ありたい姿をずっと思い続けていれば、きっと長い時間をかけてでも、それが実現するのだと思えた(現にそうなった)。
必ず、自分が自分らしく輝ける場所にいつかきっとたどり着けるはずだ。
それがどのような場所かは、この時には十分にはわからなかったが、いま自分がいるこの場所とは、きっと地続きになっている。
そこに至るまで、どれくらいの距離か、どれくらいの時間がかかるのか、それは計り知れない。しかし、確実にその場所はあるのだと確信できた。
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