学生としての品格
私の大学には、アジアからの留学生も非常に多かった。
彼らが日本の大学にやってきて、失望することが少なくないという話を友人から聞いたことがある(明治大学の大学院でも、アジアからの留学生に同じことを直接言われたことがあった)。
日本の大学生は一体何をするために大学にきているのか、なぜこんなに勉強しないのか。
これが彼らの感想だそうだ。
アジアから日本に学びにやってきている学生たちは、比較的裕福だったり、国から何らかの援助を受けたりして、日本まで学びに来ていた。
その国の代表のようなものだ。短い期間で必死に何かを学び取り、自分たちの国や社会に還元すると言う役割を持っている。

その学生たちからすれば、日本の大学生たちは親の金や国からの税金を使って遊んでいるように見えただろう(国立大学はもちろん税金が投入されているし、私立にしても私学助成の名目で多額の援助が税金から流れている)。
そのような留学生たちの意見を聞いていると、どんなに豊かで恵まれた国であっても、やはり大学生は最高学府に学ぶものとしての、一定の品格が要求されるだろうと思う。
この時期、日本の大学生には海外の留学生からみて尊敬に値するような部分はほとんどなかったといっていい。
日本は経済的な豊かさや技術力など海外の人々が学びたいと思う点がまだ多々あるのだが、精神文化に乏しい。
日本の大学生が多くの人々の援助を受けつつ大学に学んでいるのだという一定の自覚や、最高学府に学ぶものにふさわしい真の誇りを取り戻すことを願ってやまない。
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