何をやるにも思想をもつ
人間の行動は基本的に目的的である。
もちろん、おなかが空いたから、眠いから、などという生理的な欲求に基づく行動もある。
しかし、生物学的に生存するだけをその目的としない人間存在は、何らかの目的をもって行動する。
今の、首相である人物が、中学生から質問を受けた。
「なぜ(何のために)、総理大臣になろうと思ったのですか?」
その男はこう答える。
「日本の社会で一番権限の大きい人なので」
このような思想性のない、真の目的意識のない、そして理念のない人間が国のトップにいるのが、日本の悲しい現実の姿だ。
私は、この男を非難しているのではない。民主制の下では、選ばれる政治家は、国民のレベル以上にはならないからだ。
つまり、この男は、見事に今の日本の国家としての思想性のなさ、理念のなさ、国家目的のなさを象徴しているのである。
そして、そのような国をつくってきたのが私たち国民である。
物事は政治に限らない。何をやるにしても思想や哲学や理念を持つ。
何のために、どのように、そしてやがてはどのような・・・・という理想や信念、理念である。
日本人はこのようものなしで、生活をしている。だから視野が狭くなり、今だけ、ここだけ、自分だけになる。また金や欲望に翻弄される。
学生時代から、思想を持とう。考えをもって行動しよう。そのために多くの人の考えを聴き、先人の思想から多くを学ぼう。またすでにこの世にない人々の立派な生き方からも、多くを吸収しよう。
そして、大学では自分の考えを多くの人と分かち合い、多くの人に伝えよう。また多くの人の考えに耳を傾けてみよう。そうやって自分なりの思想や理念を形作るのである。
人間として、筋の通った、思想をもち、言動として具体化し、この世界に何かを残そう。
ささやかでもいい。その多くの痕跡こそが地上の星としてキラキラ輝き、この世界を飾るのだ。
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