こだわり
私が面接の指導をした学生の中に、非常に優秀な学生がいた。
優秀と言っても、学力的なものだけではなく、たんに能力が高いということでもない。
自分は絶対にこの職に就き、やりたいことがあるのだという強いこだわりを持っている学生だった。
面接のときも、自分のダメなところ、足りないところ、改善すべきところを一生懸命に聴いてはノートに書き留めて、自分なりの対策を講じてくるような学生だ。
彼女の持っているノートは、これまでに勉強したり、情報収集したり、アドバイスや忠告をもらったりしたことをすべて書き留めて情報を集約したもので、分厚くなっていた。
ここまで強いこだわりがあって、それを具体化している学生はそう多くはない。
もちろんこだわり過ぎて、囚われになってはいけないが、集中的な熱意は物事を成し遂げるに当たっては非常に重要なものである。
また、何よりも、このように必死になれる対象があるということは非常に幸せなことでもある。
彼女はこのこだわりを見事に形にして見せたし、結果も実現した。
こだわりをもてる対象を見つけ、一時ではあっても、それに無心に取り組むことによって、彼女が得たものは非常に大きかったと思う。
就職しても、一生懸命に仕事をする姿が目に浮かんだし、忠告を素直に受け入れて、改善する柔軟さもあった。
こだわりが人を強くして、エネルギーを生み出すことを教えてくれた。
学生時代には、どのような活動でもいい。
無心に、夢中に、時間を忘れて集中できる対象を見つけて欲しい。
それができる人はすべて、偉大な可能性を有している。
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